2016/05/01

ハッブル宇宙望遠鏡から覗く、夜空に隠された銀河

NASA 
April 29, 2016

ハッブル宇宙望遠鏡から覗く、夜空に隠された銀河

 毎日宇宙関連記事を読んでいますが、初めて低表面輝度銀河という言葉を目にしたので、先ほど投稿したNASAの週末からの詳細記事第一弾はこの夜空に隠れた銀河のお話しにしました。

イメージからも分かるように、我々の天の川銀河やアンドロメダ銀河と比べようがないほど希薄で、海原というよりは池や湖を眺めているかのような静かさがよく分かります。

さて、このごく最近発見された銀河は、まさに今世界中の天文学者たちが血眼になって探しているあの物質がこの低表面輝度銀河の主要構成物質だろうと考えられているため、注目を集めています。それにしてもこの宇宙の85%が未知の物質で構成されているなんてまったく不思議な気分にさせてくれます。


Hubble image of galaxy UGC 477


NASAとESA(欧州宇宙機関)のハッブル宇宙望遠鏡が、11億光年離れたうお座に位置するこの限りなく美しいUGC477のイメージを捕らえました。
This striking NASA/ESA Hubble Space Telescope image captures the galaxy UGC 477, located just over 110 million light-years away in the constellation of Pisces (The Fish).
UGC477は低表面輝度銀河(LSB)です。まず1976年にマイク・ディズニーによって提案され、1986年にこの低表面輝度銀河の存在がマリン1銀河の発見によって証明されました。このUGC477銀河のような低表面輝度銀河はアンドロメダ銀河や天の川銀河よりももっと散らばったところに分布します。夜空よりも250倍も薄暗いため、このような銀河は発見するのが極めて困難となります。
UGC 477 is a low surface brightness (LSB) galaxy. First proposed in 1976 by Mike Disney, the existence of LSB galaxies was confirmed only in 1986 with the discovery of Malin 1. LSB galaxies like UGC 477 are more diffusely distributed than galaxies such as Andromeda and the Milky Way. With surface brightnesses up to 250 times fainter than the night sky, these galaxies can be incredibly difficult to detect.
低表面輝度銀河の主要な物質は恒星ではなく(中性)水素ガスから成り立っています。一般的な渦巻銀河の中心部のバルジ(ふくらみ)とは異なり、低表面輝度銀河の中心部には多くの恒星が含まれていません。天文学者たちは低表面輝度銀河がたいてい他の銀河が存在しないエリアに分布するからであり、したがって、星形成の引き金となるような他の銀河との潮汐相互作用や融合がほとんどないのです。
Most of the matter present in LSB galaxies is in the form of hydrogen gas, rather than stars. Unlike the bulges of normal spiral galaxies, the centers of LSB galaxies do not contain large numbers of stars. Astronomers suspect that this is because LSB galaxies are mainly found in regions devoid of other galaxies, and have therefore experienced fewer galactic interactions and mergers capable of triggering high rates of star formation.
UGC477のような低表面輝度銀河は、主に暗黒物質によって形成されているだろうという見解だけでなく、それどころかはるかにとらえどころのない物質への理解を深めることが出来る素晴らしい題材となりうるのです。しかしながら、この銀河の薄暗さという露出の少なさのせいで、比較的最近になってようやくこの銀河の重要性が見出されてきたのです。
LSB galaxies such as UGC 477 instead appear to be dominated by dark matter, making them excellent objects to study to further our understanding of this elusive substance. However, due to an underrepresentation in galactic surveys — caused by their characteristic low brightness — their importance has only been realized relatively recently.
Text credit: European Space Agency
Image credit: ESA/Hubble & NASA, Acknowledgement: Judy Schmidt
Last Updated: April 29, 2016
Editor: Ashley Morrow

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